私の好きなアルバム紹介

王雪晶、荘群施、金燕子『山歌黄梅調』專輯

01. 天女散花
02. 戲鳳
03. 遠山含笑
04. 十八相送
05. 訪英台
06. 楼台会
07. 江南好
08. 扮皇帝
09. 読西廂
10. 満江対唱
11. 郊道
12. 小放牛
13. 一山還有一山高
14. 美玉無瑕
威楊制作出品、天龍国際娯楽総代理、1999年

私はとても好みでよく聞いているジャンルとして黄梅調があります。この黄梅調ですが江南地方の戯曲とされています。いまでは歌謡曲としても聞かれますが、中国の伝統色が強くやや特殊な感があります。それだけに黄梅調のアルバムはあまり多くは見かけません。
黄梅調は時期的に旧正月の時期のものといえるが、戯曲特有の独特のメロディがあり、明るく華やかさが目立つ曲調のものが多い。中華ポップスというジャンル全体から見ると、きわめて特異なものといえ、好みは割れるかも知れません。
ここでは私が特に好きな王雪晶、荘群施、金燕子の『山歌黄梅調』を紹介します。この3人は後に四個女生を結成し、そのメンバーの一員になるが、このアルバムはその少し前のもので、まだ童星時代のものといえるでしょう。黄梅調自体は子供向けの曲というわけではないので、当然ながら大人の歌手も歌いますが、このアルバムでの3人の声はまだ幼さも残っているが、平均水準が高く若々しく張りのある美しい声で歌っていて、大人の歌手のアルバムを圧倒していると言っても言い過ぎではないと思っています。
ジャケット写真としてはVCDを紹介していますが、映像は江南地方に近い上海ロケのようである。
以下、各曲を聞いた私なりのイメージを簡単に紹介します。

まず最初の「天女散花」ですが、美しく華やか溢れるイントロからぐっと惹きつけられます。何と美しい曲か。3人の合唱の息がぴったり合い、張りのある美しい声が見事だ。残念なのは2分程度しかなく短かすぎることである。
「戯鳳」は黄梅調の定番ともいえる美しい曲です。男役の荘群施、女役の王雪晶2人の掛け合いの妙が見事である。途中金燕子の合いの手が一時入る。
「遠山含笑」は男役の王雪晶の歌で始まり、中ほどで曲調が大きく変化する。途中から女役の金燕子が加わり、最後は美しいメロディを2人の合唱で締める。
「十八相送」は全体的に滑らかさがあり、適度に抑揚がある美しい曲調である。男役の王雪晶と女役の金燕子の掛け合いでる。途中2人のせりふによる掛け合いもある。黄梅調の曲には梁山泊と祝英台の2人をテーマの曲がよくありますが、中でもこの曲は代表的なものの一つといえるでしょう。
「放英台」も梁山泊と祝英台をテーマにしたものといえる。ここでは男役すなわち梁山泊役の王雪晶が中心である。歌も演奏も心地よいアクセントで引き立ち、聞いていて実に気持ちがいいのである。
「楼台会」は男役の王雪晶と女役の金燕子の悲恋の物語で、曲調も珍しくマイナー(聴感的にマイナーであって実際の調性はわかりません)です。そうとはいいながらも、黄梅調の曲らしく適度なノリとテンポのよさはあります。
「江南好」は3人の合唱が主であり、全体的にテンポがよく鮮やかなノリのよさがある。曲の展開がスムーズで心地よさは抜群である。
「扮皇帝」は流れるような美しい曲調で、鮮やかな展開を見せる曲、リズムも心地よい。女役は王雪晶と金燕子、男役は荘群施で3人の掛け合いがスムーズである。
「讀西廂」は滑らかな曲調で、男役の荘群施、女役の王雪晶2人の掛け合いにはほのぼのとした雰囲気が漂っている。
「満江対唱」は男役が王雪晶、女役が金燕子ですが、夫婦円満さを歌ったもので、穏やかで落ち着いた雰囲気の曲である。
「郭道」は荘群施の叫ぶような歌で始まる夜深い怪しい雰囲気に満ちた曲で、途中から滑らかな曲調に変わり、比較的静かに終結する。
「小放牛」は春先の桃の季節を思わせるような明るく華やかさに溢れた曲です。女役の金燕子の歌で始まり、途中から男役の王雪晶が加わり、最後は2人の合唱で締める。
「一山還有一山高」は最初からテンションの高さに目(耳)を奪われます。男役が荘群施、女役が王雪晶ですが、テンポが早く、ぐいぐい引っ張り息をつかせない感じすらある。
「美玉無瑕」は金燕子の独唱です。比較的ゆっくり目の曲ですが、抑揚は大きいほうである。金燕子は十分に声を出して歌っています。

王雪晶、荘群施、金燕子の『山歌黄梅調』のアルバムとしては、先に紹介したのはマレーシア盤のVCDであるがCDもあります。また大陸盤もあり、VCDの他DVDもあります。
マレーシア盤CD 大陸盤DVD



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